JavaScriptは, Webアプリケーションの開発の枠に収まらず最近では, Windowsストアアプリやスマートフォンのハイブリッドアプリなどにも 使用され, その手軽さなどから非常に人気な言語となりました.
しかし, その強い動的型付けな言語仕様や比較的冗長になりやすい文法から大規模開発にあまり向かない側面も持ち, CoffieScriptに代表される いくつかのスーパーセットが存在します.
それらのスーパーセットは, 総じてJavaScriptをより簡潔に, 読みやすいコードを記述して保守性を高めるといったことを目的としています.
今回から何度かに渡って紹介していくTypeScriptもそんなJavaScriptのスーパーセットの一つであり, コンパイル時に対応するJavaScriptのコードを 生成するものになります.
TypeScriptの特徴
TypeScriptは, JavaScriptに対して主に以下のような言語拡張を行っています.
このように, かなり.NET寄りな言語に拡張されオブジェクト指向的機能を追加しています.
そのため, .NET開発者のような静的型付けで型安全な言語に慣れているためにJavaScriptを犬猿しがちな人が 違和感なくJavaScriptの開発に従事しやすい仕様となっています.
また, CoffeeScriptなどの言語の弱点としてデバッグの際に結局大部分を生成されたJavaScriptのコードで行い必要がありますが, TypeScriptの場合は, 大部分をTypeScriptのままでデバッグまで可能となっており, その点で開発の容易性が高いと言えます.
TypeScriptの導入方法
今回は, TypeScriptの開発環境の設定までを簡単に触れます.
TypeScriptは, 2014/3/15現在, VisualStudio2012/2013の拡張機能として提供されています.
TypeScriptの公式ページから, ダウンロードして起動するだけで勝手にVisualStudioに機能が追加されます.
TypeScriptのファイルは, Webの項目などではなく, C#の項目に挿入されるので探す際に注意してください.
VisualStudio2013 update2からTypeScriptがビルトインサポートされることが決まっており, CTP1では既に1.0 RCが デフォルトのプロジェクトテンプレートして追加されていますが, CTP1ではまだ正式版での追加機能の確定などがなされておらず CTP2での確定を待つ状態になっていますので, 注意が必要です.
まとめ
TypeScriptは, .NETライクにJavaScriptを書いていこうというコンセプトの言語ですが, 結局JavaScriptの拡張なので 基本的なJavaScriptの知識が必要なことには注意してください.
今後何度かにわたってTypeScriptの話を書いていこうかと思いますので, これを機に覚えてみるのはいかがでしょうか.